今回はエメラルド・フェネル監督の『プロミシング・ヤング・ウーマン』
この映画を鑑賞したことで、少しアメリカの文化や歴史について知ることができたかなぁ
♯Metoo 運動(「私も被害者」という意を唱えてセクハラや性的暴行についてSNSにて告白することらしい)について、なるほどと理解できるような内容でした
映画の題名は訳すと「前途有望な女性」
これは、2015年にスタンフォード大学構内の宿舎で開かれたパーティで、水泳部のスターであった男性が、当時22歳の女性を襲った事件において、裁判官が大幅な減刑を言い渡す際に「前途有望な若者の未来を奪ってはいけない」といった言葉を、反対の言葉として引用していると
余りにもヘビーな内容でありながら、映画自体は色鮮やかにポップな仕上がりになっていたので、そこまで胃もたれせずに鑑賞できたという印象でした
あらすじ
ごく平凡な生活を送っているかに見える女性キャシー。実はとてつもなく切れ者でクレバーな彼女には、周囲の知らないもうひとつの顔があり、夜ごと外出する謎めいた行動の裏には、ある目的があった。明るい未来を約束された若い女性(=プロミシング・ヤング・ウーマン)だと誰もが信じていた主人公キャシーが、ある不可解な事件によって約束された未来をふいに奪われたことから、復讐を企てる姿を描く。
引用:映画.com
映画情報のおさらい
映画.com
監督:エメラルド・フェネル(1985年生まれ/出身:イギリス)
公開日:2021年7月16日
上映時間:113分
メインキャスト:キャリー・マリガン、アダム・ブロディ、レイ・ニコルソン、ボー・バーナム
受賞歴:
第93回アカデミー賞 脚本賞
第74回英国アカデミー賞 英国作品賞
テーマはありつつ、映画として面白い ※ちょっとネタバレごめん
かつて学生生活(医大生活)を共にした親友が、性への強い興味を持つ(柔らかい表現しておきます)エリート男子学生に襲われ、その凄惨な出来事が原因で自ら命を絶ってしまったという過去を持つ主人公の話
この映画のテーマが♯Metoo 運動を象徴するような作品であるということは理解して覚悟をした上で鑑賞をしたのでスッと入りはしましたが、それにしても映画に登場する男性が徹底的に下劣すぎました
こんなにがっつりテーマに沿って描くもんなのかぁ、これからこの感じが約2時間続いて、いわゆる監督が伝えたかったアメリカの実情を見せられ続けるのかと冒頭は思ったのですが、以外とそうでもなく。
シーンカットがとっても分かりやすく、映画全体の色合いも明るくポップで、目で楽しめてストーリーもスッキリと理解できるような内容でした
引用元:映画.com
大ラスはどんな復讐なんだ?と魅せ方にワクワクしていた所、結果的には主人公自身は死んでしまうオチ
それでも自分の人生をかけてでも、加害者グループに徹底的に復讐を果たしたかったという、主人公キャシーの気持ちがずっしり伝わってきて、後味わるいようで、スッキリしたようで、なんだか変な感覚でした
なぜ変な感覚なのか?
キャシーは加害者一人ではなく、その場にいた傍観者(彼氏になりかけたライアン)や判決を下した裁判官にまで復讐をしていた
それがまさに、この映画を鑑賞している自分自身も突き付けられているんじゃないか?という緊張感が生まれたからなんじゃないかな?と思いました。
そのテーマ性を作中だけに留めず、観ている人すら巻き込む形で訴えてくるこの作品は、ある意味没入感があり、歴史を知ろうと思うきっかけすら作ってくれるような、とてもパワーのある映画でした
気付いたこと・知ったことまとめ(箇条書き)
・本作の男性陣は、アメリカのコメディ映画やテレビのコメディシリーズで好感度の高い役を演じている役者を敢えて起用したようで、そんな人でも気を付けないといけないという隠喩がこめられていたこと
・エメラルドフェネル監督は、自身も女優として活躍していたこと
以上です!
引用元:映画.com
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