今回はロン・ハワード監督の『ビューティフル・マインド』
私が子どもの頃に、映画好きの両親と兄がこの映画について話していたのをふと思い出し、U-NEXTにて鑑賞しました
全く前情報無しで鑑賞したのですが、正直序盤は少し退屈でした、、
しかし、中盤でストーリーの転換点があり、そこから怒涛の展開を見せてくれたので、ラストに向かうにつれて目が覚めていくような映画でした
歴史ある映画を鑑賞できたことにシンプルに満足できたので、感想をつらつらと。
あらすじ
1947年、プリンストン大学院の数学科に入学したナッシュは、周囲から変人扱いされながらも研究に没頭する。やがて画期的な「ゲーム理論」を発見した彼は、その功績を認められマサチューセッツ工科大学の研究所に採用される。愛する女性アリシアとも出会い幸せな日々を過ごすナッシュだったが、国防省の諜報員パーチャーからソ連の暗号解読という極秘任務を受け、そのプレッシャーにより次第に精神のバランスを崩していく。
引用:映画.com
映画紹介
引用元:映画.com
・監督:ロン・ハワード
・公開日:2002年03月30日
・上映時間:134分
・メインキャスト:ラッセル・クロウ、エド・ハリス、ジェニファー・コネリー
序盤
白状をいたしますと、私、この映画を観るのに3日間かかっています。。笑
それはなぜかと申しますと、序盤がマジで退屈でした。。(勿論、個人的な感想です)
冒頭は後にノーベル経済学賞受賞を果たすジョン・ナッシュの変わり者ぶり、またその学園生活が描かれているのですが、これがまたゆ~っくりとした雰囲気でして
恐らく事前情報(これはほぼ実話であること。ジョンナッシュの半生を描いていること)があれば、ストーリーの全体像を把握するためにがっつりのめりこめたんだと思いますが、全く知らなかったので、「最後までこの雰囲気が続くのかなぁ」とボーっと観てしまっていたんです
よくある『変わり者の天才が将来脚光を浴びて大逆転!』みたいなありがちストーリーなんだろうと高を括って観ていたので、まんまと中盤から度肝を抜かれてしまいました
目が覚めた中盤
ジョンは天才であるが故に、米ソ冷戦下、国防省から暗号解読の依頼を受けます。
国家機密という緊張感を抱えた生活を送り、愛する人にさえ自分の境遇を伝えられない苦しさには、観ているこちらもグッと息をのむ状況。
この時点で私は目が覚めて、ストーリーにのめりこめていました 笑
しかしそんな中でジョンにも愛する人との子を授かり、家庭を大事にしたいからと暗号解読の依頼から手を引くことをパーチャー(依頼人)に伝える
しかしそう簡単にはいかず、「お前の名前をソ連に伝えるからな」と告げられ、依頼人はその場から立ち去ってしまう
そうなったらもう誰も信用できないジョン
自分の講演中に黒服の男が会場に現れ、自分を追っている人間だと思い逃げ惑うが、捕まってしまい薬を注入され、気を失ってしまう
* * *
目が覚めるとそこは精神科の病院
「あいつらは一体・・・!」と確認すると、『そんな人たちはいないのよ』と。
なんとジョンは統合失調症を患っており、今まで見えていた極秘任務に関する全ては幻だったことを告げられます
ここがとにかく最高でした!
シックスセンスのような展開、主人公の視点と第三者の視点が交錯するストーリーは個人的に大好きです
かつ、何より驚いたのがこの時点でまだ映画があと約1時間ほど控えているということ
この時点でこの映画はこのギミックだけでは終わらせず、ここから深くストーリーが展開されることが容易に想起されて、感動すら覚えました
ジョン・ナッシュの生き方
その後も自身の統合失調症の症状により苦悩する場面もありますが、それでも自分の生き方を貫いて生きていくジョンは、ずっと観ていたくなりました
そして、そんなジョンを支える奥さんも素晴らしいの一言
ジョンの症状にうんざりしてしまい、夜中にガラスを叩き割って叫んで落ち込むシーンがあるのですが、なぜかそこには圧倒的な絶望といった雰囲気は薄く、『今』と戦い続ける勇敢な奥さんの画という感覚がありました
その瞬間瞬間でつまずくことがあったり、周りから冷たい目線を浴びせられることもあったり
自分だけが支えないといけないという責任感に押しつぶされそうになりながらも、それでも前を向いて生き続けるジョンと奥さんに、脱帽でした
結果的にジョンが経済学者として認められ、ノーベル賞を受賞する結末に繋がっていくのですが、そこに登壇するまでに幾度も立ち向かうべき壁があったんだと、深く考えさせられました
まとめ
個人的に天才の伝記の映画はお気に入りになりやすいのですが、例にたがわずこの映画もフェイバリットムービーとなりました(このジャンルで一番好きなのは『ソーシャルネットワーク』)
内容も勿論興味深かったですが、何より気に入ったのは作品の脚本です
しっかりと人物の紹介をストーリーを含めて伝えながらも伏線を残し、中盤でそこをガッツリ回収したのちに、それを踏まえてラストまでどうもっていくか
アカデミー脚色賞を受賞し、ゴールデングローブ脚本賞を受賞しているとのこと
学生の頃からストーリー展開が醍醐味の映画には興味をもっていましたが、この映画を観て改めて脚本について知見を広げたいと思えた素晴らしい作品でした
皆さまも是非、ジョン・ナッシュの半生を素敵な脚本と共に楽しんでみてください
以上、今回もご愛読いただきありがとうございました!
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