今回はダニーボイル監督の『トレイン・スポッティング』
アカデミー賞脚本賞受賞とのことですが、この映画で際立って評価したくなるのは映像表現
特に主人公のレントンが中毒から脱する時の表現は、悪い夢を見ているよう、、笑
うえぇ~と思いながらも見てしまう、そんな「中毒性」のある作品でした
ラストに向かうストーリーには、私的にも思うことが色々と。感想つらつら書かせてもらいます。
あらすじ
スコットランド、エディンバラで暮らすヘロイン中毒のレントンは、同じくヘロイン中毒のシック・ボーイやスパッド、アルコール中毒で暴力的なベグビーらとつるんで無軌道な毎日を送っていた。そんなある日、レントンは万引きで逮捕されたことをきっかけに更生を決意し、ロンドンへ出て就職する。しかし強盗で逃亡中のベグビーとシック・ボーイが相次いで押しかけてきて、レントンは会社をクビになってしまう。地元へ帰った彼らを待っていたのは、恋人との別れをきっかけにドラッグに手を出した友人トミーの葬式だった。圧倒的な絶望感の中、人生を変えるべく大きな賭けに出るレントンたちだったが…
引用元・映画.com
作品紹介
引用元:映画.com
・監督:ダニー・ボイル
・公開日:1996年11月30日
・上映時間:93分
・キャスト:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、ケヴィン・マクキッド
流れるような起承転結
アカデミー賞で脚本賞をとっているだけあって、ストーリーの展開はとっても疾走感のある映像
ヘロイン中毒で地元でめちゃくちゃやっている友人と一緒に過ごしていたが、万引きで逮捕されたことをきっかけに更生することを決め、ロンドンへ
そこで真っ当な大人として仕事をしていくが、またそこにかつての友人が押しかけてきて、また人生は逆戻り、足をあらったはずのヘロインにも手をだしてしまい、、
こんな流れで進んでいくんですが、とにかく登場人物それぞれのキャラがたっていて、かつ主人公レントンの心情の変化も、ストーリーの背景の分かりやすさが相まって、とても伝わりやすくなっている
『地元の奴らとバカやっている自分から脱却する為に、ロンドンへ』
ここのストーリー展開はとても重要なのですが、ここも『地元の奴ら』がしっかり理解できるからこそ、すっと頭に入ってくるような感覚がありました
珍妙だけど美しい映像表現
冒頭でも書いた通り、この映画の素晴らしい所は映像表現だと思います
レントンが座薬にやられ、「スコットランドで最悪のトイレ」と評されるトイレに駆け込むシーンがあるんですが、これがまた顔をそむけたくなる程、めっちゃくちゃ汚い
そんなトイレの便座に手を突っ込んで、挙句に身体ごと突っ込んだ先に、綺麗な海のような世界が広がっているというシーンなんかは、自分もなんだか綺麗になれた気分のような、笑
特に一番映像として凄いのが逮捕された後に、ヘロイン中毒から脱却する為に、クスリから離れて暮らすシーン
禁断症状で、その前のストーリーで亡くなってしまった赤ちゃんが天井を這っていたり、いないはずの友人が急に目の前に登場したり、、本当に悪い夢をみているよう。
これは監督はどうやってこんな表現を知って覚えたんだろう?と冷静に考えてしまうような映像で、心というより目が惹かれました。
地元からの脱却
なんとかヘロイン中毒から脱して、地元から離れて大都会ロンドンへ移動し、真っ当に仕事を始めるレントン。その後、再度地元の友人に捕まり、再度ヘロイン中毒になりかけますが、最終的に友人の金を奪って、また地元の友人から逃げていくシーンがあります
なぜ裏切った?
本当のところは、俺がワルだからだ。
だが変わろうと思う。これを最後に足を洗ってカタギの暮らしをする。楽しみだ。あんたと同じ人生だよ。
劇中のレントンのセリフ
レントンは地元で仲良く楽しく暮らしていたが、いよいよ「10代のワルい過ごし方」に飽きてきていたんですね。
私自身地方の出身で、地元の昔から仲の良い友人がいます。(決してワルではなく、優しい友達です笑)
それでもずっと地元に留まるのではなく、今よりもっと成長したくて、もっと自分の将来の目標に近づきたくて、環境を変えてみたい!と思うことはありました
レントンが「俺がワルだからだ」と言っていますが、そこまで地元の友人ほどワルになりきれておらず、中途半端な自分・環境にモヤモヤしていたんじゃないかなぁと思います。
そんな自分と環境から卒業をするために、すべてを変えて、一般の人たちが幸福と思うことを幸福と思えるような「カタギ」になる!というオチでしたね。
なんだか今の環境にモヤモヤしたり、なぜか悔しい気持ちや劣等感を抱くことは、大きくなくても日常に散らばっていると思います
そんな小さな部分を一気に掻き合わせた映画が「トレイン・スポッティング」なんじゃないかなと。
自分もこうして少しづつ映画の感想を描きつつ、環境を変えられるような努力をしてみたいなぁと感じました。
今回もご愛読いただき、ありがとうございました。以上。
引用元:映画.com
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