今回は絶賛公開中の『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ』を手掛けた監督、アレクサンダー・ペインが約20年前の2005年に制作した『サイドウェイ』
ホールドオーバーズがかなり面白かったので、監督数珠繋ぎで鑑賞しました
結論、心にグッとくる面白おかしくて、人間味のある作品でした
是非みんなにも観てもらいたい!という気持ちも込めて、感想をつらつらと。
あらすじ
離婚の傷を引きずる作家志望の教師マイルスは、結婚を1週間後に控えた親友ジャックに独身最後の時間を楽しんでもらおうと、一緒にカリフォルニアのワイナリーを巡る旅に出る。しかしプレイボーイのジャックは旅先で羽目を外すことしか考えておらず、ワイナリーで知り合ったステファニーと関係を持ってしまう。一方、マイルスはステファニーの友人であるワイン通のマヤに惹かれるが積極的になれず……。
引用元:映画.com
作品紹介
引用元:映画.com
・監督:アレクサンダー・ペイン
・公開日:2005年3月5日(約20年前!)
・上映時間:130分
・キャスト:ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ・ヴァージニア・マドセン・サンドラ・オー
心に響く「ロードムービー」
皆さんは、映画の「ロードムービー」というジャンルをご存じでしょうか?
ロードムービー(road movie)は、映画のジャンルである。旅の途中で起こる様々な出来事が、映画の物語となっている。旅をしているため、場面の現場が移り変わっていくのが特徴である。
引用元:wikipedia
今作はまさにそんなジャンルの、冒頭からラストまでゆったりと楽しめる作品でした
主人公は、作家志望のしがない教師マイルスと結婚を1週後に控えた親友ジャック
そんな二人が結婚前の1週間、ジャックの最後の独身生活を祝おうとワインのゴルフの旅にでるシーンから始まり、そんな道中で出会い・別れを経験するというもの
ジャックはとにかくナンパ野郎でそのことしか頭にない、、笑
優しいマイルスは巻き込まれたくないと思いながらも、ジャックを祝う旅なので付き合ってあげるんですが、本当にとばっちりだらけで笑
客観的にみてもマイルスの方が行動としては正しいし、ジャックの方が何してんねんなんですが、それでも旅を心から楽しんでいるのは実はジャックのほうなんですよね
ワインのうんちくを淡々と述べても、横でジャックは一飲み「うん、美味い!」
これは俺には美味しく感じないとマイルスがワインを捨てるシーンでも、「そんなことないよ、俺は美味しい」と、本当に素でお酒を楽しんでる姿とか、もうそりゃ羨ましくもなりますよね
過去に離婚歴のあるマイルスは、道中で出会うマヤに好意を持つも踏ん切りがつかず
負け犬癖がついてるんだと自分にガッカリ
実はマイルスは、マヤには「自分は作家である」と嘘をついてしまっているんですね。
後ろめたさを感じつつも「本はもうすぐ出版するよ」と、さらに嘘を重ねてしまう
そしてマイルスの相棒のジャックもまた、1週間後に結婚することをしっかりと隠して、夜な夜な遊びまわってるわけです
そんな二人も最後まで嘘は突き通すことができず、結局マイルスはマヤに愛想をつかされてしまうんです
共感ポイント
マヤとの将来が見えなくなってしまったマイルスは、最後の望みである出版社に連絡し、自分が投稿した作品が出版されるか確認の電話をいれますが、結果没。。
自暴自棄になってワインをバッシャーと頭から被り、留守番電話でマヤに自分はしがない教師であり、作家なんかではないと嘘を告白
その後もジャックの周りの一悶着に巻き込まれながらも(車はほぼ大破 笑)、なんとかジャックをお家に送り届けることができるのですが
このあとのマイルスの佇まいにふと共感しちゃいました
大事な親友を祝ってあげようと、最初は心から楽しもう!と思っていたはずなのに、いざ自分は幸せになれていない状況に直面した時、なぜか見返りがないことの虚無感が一気に押し寄せてくるんですよね
マイルスがそんな気持ちになったかまでは分からないですが、自分の過去にもそんなことってあったなぁと回想してしまいました
結局自分が積極的になれなかった不甲斐なさだったり、その瞬間を楽しめなかった後悔とかが生まれて、誰かのせいにしたいけど、そうしても今の自分は変えることはできない
親友を祝う1週間が終わり、マイルスはいつもの「教師」としての日常が戻ってきます
ただ、そんな平凡な生活に、ラスト思いがけない連絡が、、!
まとめ
こういう自分と登場人物を重ねて観てしまう映画は、どうにも弱いです。。笑
敢えて誰かに打ち明けたいわけではなく、それでも自分の思い出としてしまっていた過去の引き出しを一気にひっぺがされて、ガサガサ漁られているような感覚でした
特にこの作品はラストが本当に感動できて、ボーっと余韻に浸れるので、本当にオススメです
あまり意識したことはなかったですが、ジムキャリー主演の「イエスマン」もそうでしたが、物語のなかで大切な人に出会い、山あり谷あり経験していく映画は観ていてどんどんハマっていけるので、とっても楽しかったです
アレクサンダー・ペイン監督の、アホらしさもあり人情味もあるような、人間臭い映画に惚れてしまいましたね
これからの作品にも是非期待したいと思います!
それでは本日はこのくらいで以上です。
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