【グリーンブック】友情から生まれる絆

旧作

今回はピーター・ファレリー監督の『グリーンブック』

いやぁ、、また名作に出会ってしまいました。なんで今まで鑑賞していなかったのか。。

バディもの、ロードムービー系に弱い僕ですが、本作はまさにその融合作品で、冒頭からすっかり引き込まれてしまいました

ただ、今作は鑑賞の前情報は「人種差別」がテーマであることくらいだったので、とはいえずっしり思いバックグラウンドがあったりするのかな?と思っていました

しかし、そこは監督の腕によって、コメディチックに描きつつもしっかりストーリー・キャラクターからすんなりと伝えてくれるような映画に仕上がっており、それもまた感動でした。

書かせてください、感想つらつらと。

あらすじ

1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。

引用元:映画.com

作品紹介

引用元:映画.com

・監督:ピーター・ファレリー
・公開日:2019年03月1日
・上映時間:130分

メインキャストヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ

見どころ

ごめんなさい、本作については鑑賞して良かったと思った部分をとにかく書かせてください!笑


一番の見どころは
・トニーとシャーリーの友情を越えた絆
・敢えて厳しい環境に立ち向かう二人の人生に対する姿勢


ここに尽きるかなと思います。

冒頭、有名ジャズピアニストのシャーリーが職を失くしたトニーを面接するシーン

シャーリーは王座のような椅子に座り、トニーを見下す形で話を進めていくんですが

正直もうこの時点で僕はワックワクでした♪
ここからどのように展開して、この二人の絆は深まっていくんだろうか。

これからそのストーリーをじっくりみることができるとは!

案の定面接内容はシャーリーから一方的に運転手兼召使いのような仕事内容を任せるといったもの

「俺はやらない。週125ドルなら引きうける」と部屋を後にするトニー

しかし、その後シャーリーより再び仕事の依頼の電話があり、結局は運転手を引き付け、二人の約8週間の長い旅が始まります

引用元:映画.com

絆が生まれるストーリー

二人の旅が始まる

最初はお互いにプライドがあり、そっけなく、上手くかみ合わない

トニー:黒人嫌いで粗暴
シャーリー:とにかく品位を大切にしている

ドライブの途中、トニーが小便をしてくると脇道に駐車して、車から外にでるシーン
一旦外に出るも、敢えて一旦戻り、シャーリーを一瞥して車の中から自分の財布を持ち出す

この描写で、トニーの黒人に対する不信感や二人の距離感がまだ遠いことがはっきりと表現されていて、とても分かりやすい

その後シャーリーから口調や振る舞いについて指摘をされてトニーはうんざりしながらも最初の講演へ

そこで見事な演奏をやりきり、トニーはそれをみて「まぎれもなく天才」と知る

その後、トニーは遠く離れた妻ドロレスに手紙を書くのだが、その内容がまた寂しい。。

ここではトニーからみてるシャーリーが、見事に真実を言い得ているようでした。

今夜、ドク(シャーリー)が弾くピアノを聞いた
黒人っぽくなく リベラ―チェのようで もっと上手い
あいつは天才だ
車のバックミラーで見る彼はいつも何か考えてる
それが天才なんだろうが 楽しそうじゃない

ドロレスに向けた手紙より

後日、2箇所目の講演へ

しかし、そこでは黒人を蔑むようなスタッフの対応がありました
ステージにはボロボロのピアノが。。ゴミも散らかっている始末。

契約通りスタインウェイ(ピアノ)を今すぐ用意しろとスタッフに促すトニー

「なんだと?イタ公」と差別された思えば、トニーがスタッフに激しい平手打ち!

結局無事契約通りピアノは届き、無事シャーリーは演奏を終えます

その後モーテル?のような場所でシャーリーが飲み歩き、地元の白人と一悶着あるシーンがあるのですが、そこでもトニーはシャーリーを助けます

しかし、ここでは心からシャーリーを助けたいのではなく、講演が遅れたり中止になると自分の給料に影響することを心配しての行動であることが後に分かります

つまり、ここではまだまだ絆が深まっていないような状況なのです

ラストに向けたお互いを想う絆

紆余曲折あり、ついに二人は最後の講演の場所へ

そこで案内される楽屋は物置き部屋。。ここでも白人から黒人差別を受けます。

ここでトニーはシャーリーの演奏仲間の一人に、なぜ彼がこの度にでたかを教えてもらいます

ドクターが なぜこの旅に出たのかと尋ねたな?
才能だけでは十分じゃないんだ
勇気が人の心を変える

演奏トリオの一人から教えられたこと

シャーリーは歓迎される北部ではなく、敢えて黒人差別の強い南部へと長旅を決意し
そこで演奏をクリアしていくことで勇気を得て、人として強くなろうとしていたということです

そんな話をしている中、シャーリーが楽屋(物置き)からレストランに来て合流しようとした時
レストランのスタッフが「決まりなので」と黒人であることを理由に入店を断ります

トニーは憤慨し、レストランスタッフに反論しますが
自分自身に挑戦しているシャーリーを知り、自分も我慢しようと踏ん張ります

それでも自分を貫き通すシャーリー
「ここで食べられないなら今夜の演奏は降りる」

レストランの支配人はこいつでは埒が明かないとばかりに、トニーを裏に呼び
なんとお金で解決をしようとします。

流石にキレるトニーですが、この時は既に自分の給料の為ではなく
完全にシャーリーという人物に対しての不誠実な態度にキレているような描写でした

結局二人はそのレストランでの演奏を断り、近くの黒人だらけのハウスで演奏をして、最後の講演を終えます

ラスト

こうして二人の旅は終わり、各々自分の家へ

トニーは家族や仲間に迎えられ、シャーリーは孤独に豪華絢爛な自宅に一人帰宅します

その頃にはシャーリー自身には高貴なプライドはなく、王座のような椅子ではなく、低い椅子に座ります

トニーといえば、仲間から「元気ないな?」と心配される程、シャーリーのことを心では気にかけており、気が気でない様子

そうしてもやもやしている中、家のチャイムが鳴り、出るとシャーリーが。旅を終えて以降の再開にハグをして映画は終わります

まとめ

序盤からしっかりとキャラクターの振りが効いていて、徐々にお互いの距離が縮まり、最後はしっかりとお互いを大事に思える存在になっているという、分かりやすいようで心温まる構図が、個人的に本当に素晴らしい映画だなと思える要素でした

人種差別の歴史などをもっとより深く学べば、さらに映画を楽しめるんじゃないかなと思わされるような作品でもありました

これは一度ではなく、これから何度も観たい映画となりました

それでは今回はこの辺で。ご愛読ありがとうございました!

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